西穂独標②  2014年12月28日  天気:晴れ

夜は風が少し強かったのでテントがよく揺れました(笑) そして星空がとても綺麗で素晴らしいんですが写真に残せない(>_<) 今日のプランは西穂独標まで登り、その後は山荘に戻って西穂ラーメンを食べ、帰りのバスに間に合うよう下山して帰路に着くと言うもの。温泉に入る時間があれば是非入りたいものですが、バスの時間がどうしても合わないので今回は無しかも。では後編のスタートです。

・・・注意・・・

ペットボトル飲料水の保管方法について、これは絶対に寝袋の中に入れて置いた方がいいです。雪を溶かして水を得る、別の方法で保管する等、対策があれば良いんですが、テント内にゴロンだと100%凍結です。振ればシャーベット状になる・・・なんて思っちゃダメですよ(汗) ガチガチの氷です!融けるためには0度以上にならないとダメですが、冬の季節、0度以上なんて起こりえない。最悪は山荘で調達しましょう。

 6時10分 準備中

さ、寒い・・・(>_<) 温度計を見たら氷点下13度だ!出発時間を7時に合わせていますが6時は真っ暗。これじゃあ雪庇の確認は厳しい。明るくなる7時に合わせ少しずつ用意を進めていきます。

 6時40分 明るくなってきたので出発

アイゼンとピッケルを携え西穂独標に向かいます。西穂山荘以降ワカンは不要です。

ところどころでエビのしっぽ現象が起きています。天候は問題ないんだけど風が強い!気温が低く風が冷たいので末端部分が痛み出してきました(>_<) 手の先、足の先、鼻、耳がズキズキします。グローブは2枚着用で、鼻と耳は目出帽でガード。足の先は動いていけば治りますので問題なし。で、ここの状況を同僚にLINEで送ってみました。「無理すんなよー」の返答がきました。無理しないよー(^o^)

 7時00分 丸山山頂

丸山登頂後にご来光。温かい光だ~!最初の数分間は赤い光ですね(^_^)

西穂独標はこの次になります。風がバタバタ音を立ていますが風速16m/sくらいでしょうか?

 ゆったりのったり歩きます



西穂独標の奥にピラミッドピーク、そして西穂高岳の山頂がチラホラ見えるようになってきました。奥穂高岳は見えないな。西穂独標の山頂で何名かの登山者が動いているのが分かります。西穂独標まではもう1時間もかからない距離なので、ゆったりのったり歩いていきましょうかね。

 黒い岩山が西穂独標です

完全にトレースが出来上がっているのでコースミスを気にせず歩けるのが嬉しい。西穂独標の近くまで進むと岩場が露出していて歩くのが少々難しい。ラストの坂道はアイゼンで岩の上に乗る場所もありますのでバランスを崩さないように歩くことが求められます。ではここから慎重に進んでいきましょう。

 山頂まではもう少し!


西穂山荘で談話した際に西穂独標の危険な場所を伺いましたら、「西穂独標手前の20mが危ないかもね」と仰ってました。今そこを歩いているんですが、確かに斜度がありますし、岩にアイゼンを乗せなくちゃいけないし、滑りやすいし・・・うむ、うなづけます。特に下山は注意する必要がありますね。

 7時50分 西穂独標!

左のピークからピラミッドピーク、西穂高岳、天狗岩、ジャンダルム、馬の背と続き、ラストは奥穂高岳。

左奥が乗鞍岳で、中央上が焼岳。左は上高地エリアで梓川が見えますね。

左遠方に白山、中央右が笠ヶ岳です。念願の西穂独標に到着しまして、この時の感情はとにかく爆発していたと思います。無事に登頂を果たせたことが、どれほど嬉しかったことか(;´Д`) 山頂からの景色、周囲は雪の世界に変貌を遂げ、夏に見る景気とは全然違います。

 8時05分 下山開始!


山頂からの景色を撮ろうとスマホを取りだしたら電源が落ちている!しまった、ズボンのポケットに入れっぱだった。本当だとホッカイロも入れた胸ポケットに入れておくべき。寒さで充電が切れたんです(泣) デジカメの充電が切れていないだけでも良しとしよう。下山開始となりますが、最初の20m程は滑ったら大怪我必至なので慎重に下りましょう。登ってくる方と上手くすれ違いながら標高を下げていきます。

 コンティニュアス

ザイルとハーネスを組み合わせた雪山陣形の1つ。コンティニュアスクライミングで確保支点を設けずロープで結ばれている状態を指します。単独行動の私には陣形を作ることが出来ないのでザイルもハーネスも不要になりますが、いつしか購入するタイミングが来るのだろうか?滑落または転倒者が出た場合、他の人が即座にロープを引っ張り上げて最悪の事態を防ぎます。

 安全地帯に戻ってきました


丸山の辺りまで来てしまえば稜線が広がって危険な場所は無くなります。ようやく風も落ち着き温かくなってポカポカです(でも氷点下5度!) 。そしてまだ楽しみが残っていまして、西穂山荘名物の西穂ラーメンを食べる事!ラーメン販売が朝の9時からなのでゆったりのったり下山しましょう(^o^)/

 8時35分 西穂山荘

西穂山荘に到着。ふぅ~テントが吹き飛ばされていなくて良かった(笑)

 9時00分 西穂ラーメン

山荘の中は外よりもさらに暖かい(^_^) 誰もいないようで貸切状態です。

・・・で、こちらが西穂ラーメンです。しょうゆ味と味噌味があり共に900円。濃い味が食べたかったので味噌を選択し、そして出てきた味噌は色がさらに濃かった!でも色は濃くても味は濃くなく美味い~約1日分の温かい食事でビールも一緒。「うぅ~涙がでる~」やっぱりご飯は美味しい(。´Д⊂)

 撤収作業開始


元気が出たところで撤収作業に入りましょう。テントを片付けポールをたたみ自分の掘った穴を整地します。この作業も意外に疲れるんですよね~適度に休憩を挟んで続けていきましょう。さて、ガチガチに凍ったポカリどうしようかな。残してもしょうがいないし・・・見事なまでのガッチガチです(苦笑)

で・・・仕方なくこうして融かすしか方法はなかった(笑)

 11時25分 下山しましょう


下山開始です。積雪があるので通っていない道を開拓してみましょう。上りのラッセルは驚異的な疲労困憊になりますが、下りのラッセルは本当に楽ですね。仮に転んでも雪なんで気にせずズカズカ歩けます。ワカンやスノーシューの跡もありましたね。これくらいの積雪があれば楽しめそうですな(^_^)

 色々な光景を見れて楽しい

おぉ~クリスマスツリー!イルミネーションのようにして夜見たら最高だな(´∀`)

石室の上から雪がはみ出てる。雪庇もこんな感じに積もっており、そこを踏み抜くと雪と一緒にサヨナラとなります。下から見れば一目瞭然ですが、上から見ると雪庇が全然確認できないんですよね。

 12時05分 西穂高口駅に着いた


西穂高口駅に到着!ふぅ~これで西穂独標の登頂は終了となります。アイゼンを外し衣服にかかった雪を落とし、ゴーグルを外し、ちょっとザックを下ろし、おぉ~体がとても身軽になりました。

 温かい・・・(´∀`)

薪ストーブ?灯油ストーブ?どちらにせよ温かい。

まずは下山届けを記入しボックスに投函します。ここで何か食べようかな?って思いましたがバスの時刻が迫っているので悠長なことが出来ない(>_<) でも展望台からの景色を見てみたい。ちなみと3Fにモンベルショップがあります。基本的なギアは買えるんですが、ガス缶だけはなかったな。なぜだろう?

 展望台は賑やか

にしほ君の目・・・ヤル気ないな・・・(笑) 初日と目が違う。

ここから西穂山荘、西穂独標、奥穂高岳まで一望できたんだね(^_^)

展望台はこんな感じで賑やかになっています。記念写真を撮ったり望遠鏡をのぞいたり、天気も良いし風も吹いていないし。本当にこんな穏やかな日に来られるなんて最高です!

 12時45分 ロープウェイ乗車


00分と30分の30分間隔で動くロープウェイ、15分と45分の30分間隔で動くロープウェイ、2つとも満室状態です。支柱を通過する際フワッて体が宙に浮く感じがして乗客から「おぉ・・・」と言ったスリルを味わったような声が聞こえてきます。私も体験しましたが「おぉ・・・」って思わず口に出しちゃいました(笑)

 13時10分 新穂高ロープウェイ


松本行きのバス出発まで残り20分!ロープウェイ1本乗り遅れていたらご愁傷様だった(>_<) 危なかった・・・。バスチケットは施設内の自販機で販売中です。バス出発まで時間がありますから飛騨牛肉まんを改めて購入!ついでに地ビールも買って雪山を見ながら堪能しています。

 15時30分 松本駅に戻ってきました

あとは「スーパーあずさ新宿行き」に乗れば完全帰路への道。保険をかけて20時発の切符を買っていましたが、早く戻ってきてしまったので切符の時間変更に「みどりの窓口」へ向かいます。難しいだろうな・・・と思っていたら簡単に変更できちゃいました。今日はそんなにガラガラなの?

出発まで1時間がありますので昼食を取りましょう。から揚げ定食+大ジョッキを注文し、ビールは当然のこと全然足らないので大ジョッキを再度注文。それほど喉が渇いていたのかもしれませんが、久々(・・・と言ってもたった数日) に米と味噌汁を食べ満足です。さてさて、出発まで残り20分になりました。

 16時50分 58分発のスーパーあずさ28号に乗車


既に電車が停車していた!時間がまだまだあるとは言え出発しそうな感じがして焦った(>_<) 帰りもグリーン車を選択し、大きなザックを隣の席に置いて、リクライニングを2段階ほど下げてゆったり姿勢。iPod Shuffleで「雨のち晴レルヤ」、「イロトリドリ」など聞きながらコーヒーブレイク。すげ~贅沢している気分(笑)

2014年ラストの登山が終了しました。今回の西穂独標登山、天候に恵まれた終日最高のコンディションであり久々に気持ちの良い冬山を体験できました。やっぱり鍋焼きうどんの件さえなければ全部Goodだったな(笑) 来月は金沢まで長期出張か~まぁ向こうに行かないと登れない山もたくさんあるから良いか。ではでは来年はどこの山でお会いできるでしょうか?来年も宜しくお願い致します(^o^)/