北海道遠征の旅⑥

 

2014年8月14日  天気:曇り

北海道遠征の旅⑥はトムラウシ登山のページとなります。北海道の山の中で日帰り登山が難しいとされるトムラウシの挑戦が始まります。長距離運転と寝にくい車中泊の繰り返しで疲労が徐々に積み重なってきているのでいつも以上に安全第一で登りましょう。これまで強風と言う自然災害(?) にやられてきましたが、最後くらいは平和な登山にしたいものですなぁ。それでは、最後のトムラウシ登山、ご覧下さいませ。

・・・アクセスについて・・

新千歳空港から車だと200kmを走ることに(疲) 電車なら最寄駅のJR新得駅からバスorタクシー利用となります。新得駅の最寄コンビニは500m離れているため事前チェックは必須。バス時刻表も事前に確認!また登山開始場所も入念に。特にトムラウシ温泉スタートの場合、登山開始が朝の9時を過ぎると危険です。そのためテントを持参するか、トムラウシ温泉の東大雪荘で前夜泊をするのがベストとなります。

・・・所持品・・・

何はともあれゲイターは必須!温泉コース分岐からコマドリ沢分岐の間は"ぬかるみ" が酷い(>_<) 基本装備(カッパや日焼け止めクリームなど) は絶対として、テント泊をする場合はプラティ持参はどうでしょう?8月半ばでの南沼キャンプ指定地の池水は底をついてました。北沼まで行けば豊富な水にありつけますが、少々距離があって面倒です。水補給も1回で済ませたいですし。テント泊なら簡易トイレ道具は絶対です。

 3時30分 トムラウシ温泉から出発

起床2時、ゆったり用意してたら3時を過ぎてしまった・・・何名かの登山者が短縮登山口に向けて車で出発しましたね。タクシーを呼んで向かうのもアリなんですが12,000円程かかります。さてトムラウシ温泉の登山口はどこになるんかな?スマホチェックで①ホテルが小さくなるまで歩き②近くに噴出塔があり③木製の橋を渡る・・・このヒントで歩いたところ、見事登山口を見つけることが出来ました。

 ここが登山口

強制発光(フラッシュ) を起こして撮影したモノですが、実際はもっと真っ暗です。足元が完全に見えないためヘッドライトがないと致命的です。熊よけ鈴と、明かりを増やすためランタンを携帯して出発です。

 4時55分 温泉コース分岐

暗い中では撮影しても何だか全然分からないので全部カット!そんで完全に明るくなった辺りで"温泉コース分岐" に辿り着きました。ここまで2時間かかると地図に書いてありましたが1時間15分で到着できた。思ったより体調がいいんじゃないか?ここで短縮登山口からの道と合流します。

 5時30分 カムイ天上

ここがカムイ天上。天上って書いてあるくらいだから展望良いんだろうな~と思ったら全然ダメ(泣)

 ぬかるみ地獄だ・・・


しばらく歩くと展望が開けてきました。短縮登山口からスタートした登山者もここら辺から見かけるようになりましたね。そしてしばらく歩くと思いっきり標高を下げられます。泣きたいほどの・・・(>_<) カムイ天上からコマドリ沢分岐の間は"ぬかるみ" が酷くて歩くたびに靴もズボンも容赦なく汚れていきます。晴れても状況に変化はない場所なのでゲイターは必須。標高を下げている辺りで雨が降ってきました。

 6時50分 コマドリ沢分岐に到着

雨が本格的に降ってきましたのでカッパだけじゃなくザックカバーも取り付けます。喉が渇いたので沢水を飲んでリフレッシュ。流れのある川なので湯沸しは不要でしょう。ここで短縮登山路から登ってきた団体さんと会い簡単に挨拶を交わしました。「この雨、止みますかね?」、「午後は晴れになるそうですよ」

 高山植物を見つけました

ミヤマキンポウゲ・・・なのかな?健気に咲く高山植物を見て元気を分けてもらいます。

 次は前トム平です

コマドリ沢分岐の直後に続く急坂。ここが結構な厄介さで疲れます。そんなに長く続くわけじゃありませんが休憩をこまめに取って登りましょう。標高が高くなってきたのか木々の背が低くなってきましたね。

 北海道遠征初の本格的なガレ場

今日、トムラウシ初のガレ場ルートです。浮石が潜んでいますので足元厳重注意で登りましょう。木々が完全になくなり雰囲気ある風景に変わったとたん元気がまた湧いてきましたぜ。雲も少し晴れてきたかな?雨が止みましたのでカッパとザックカバーを片付けます。これで蒸し暑さから解放された。

 7時35分 前トム平

3時間経過で前トム平に到着。ナキウサギが鳴きまくっているんですが全然出てくれません。出てきてくれないかな~前トム平で朝食を食べ(カロリーの多いマヨコーンパン) 、元気が戻ってきたところで目の前の長々した坂を攻略しにいきます。風はありませんが気温が低いのでアウターをここで着込みます。

 独特の雰囲気が漂う景色

坂を登り終えたら坂を下っていきます・・・(泣) 左の写真に写る白いモノは残雪で、最初アレを見つけた時、「アイゼン持ってきてないよ」って焦ったんですが、結果的に登らずにすみました。そしてここでもナキウサギが鳴きまくってます。風景が独特でありトムラウシの中心部に入り込んだ感じがします。

 8時00分 トムラウシ公園です

トムラウシ公園の標識を過ぎた辺りから高山植物の群生地帯となります。まず紫色のヨツバシオガマが目を惹きます。次に白い花が・・・チングルマ?いや花びらが5枚以上あるしな。ハイサンイチゲ?これもちょっと違うな。写真には載せていませんが、赤い実のコケモモ、白い花のウメバチソウなど多種多様の花がトムラウシを彩ってくれてます。花の写真撮影に結構時間を費やしてしまいました(笑)

 ★動画★ トムラウシ公園の風景

後方羊蹄山、十勝岳、大雪山(旭岳) 、どの山も風が吹き荒れる天候でしたが、トムラウシは穏やかでしたね。でも肌寒い風だったので防寒対策をしないと震えます。太陽の光が時々見えるんですが、それも瞬時に雲の中へ消えていってしまいます・・・太陽、頼むから顔を出してくれ~!

 南沼キャンプ指定地から山頂までの登山道


南沼キャンプ指定地とトムラウシ山頂への分岐点に到着。テントは2張り。山頂まで30分の場所まで来ましたね。微妙な坂道の連続で疲労が徐々に溜まってきましたが、ここまで来たら、もう頑張って進むのみ!

 9時00分 キター!トムラウシ山頂!

北海島遠征の旅、最後の4座目のトムラウシ山も無事に登頂成功!5時間20分かかった・・・

ほんの気持ち太陽が顔を出してくれてるんですが、雲の層が大きいのか白いモヤばかりとなってしまいます。10分待ってはみたんですが寒くなってくるんでダメ、それに時間も気にしなければいけないので下山開始。でもこのまま戻るのは悲しいので、北沼にちょっと足を運んでみます。

 北沼に向かってみましょ

山頂から北沼までの道、最初は岩場なので転ばないように注意。ここで転ぶと相当な傷を負います。そして次の急坂も砂道で滑りやすく要注意。それらを越えたら後は安全な道が続きます。左手に北沼が見えてくるんですが霧に隠れたりしてなかなか見えない。ここでもナキウサギの声がどこからか聞こえてきます。

 9時55分 デカいじゃん!北沼!

思ったよりも大きくて正直ビックリしました。水がとにかく綺麗で一口飲んでみたくなります。ここの水は綺麗であっても流れが川と違って全くない場所なので、もしテント泊などで水を利用する場合は湯沸しを挟むと良いです。本当に静かな場所で心が落ち着いてくる。今は風の音と水の音だけが聞こえてきます。

 ナキウサギが撮れ・・・なかった!

ナキウサギを発見!でもカメラを構えた時には逃げの態勢であり、結局よく分からない写真になってしまった。でも肉眼ではハッキリ見えました。草の茎をモグモグと器用に食べていて、で、逃げる際は岩陰にすぐ消える。あとでナキウサギの暮らし方ってHPを見たら、彼ら用の小さいトンネルがいくつも出来上がっているそうです。岩陰の土を掘ってトンネル状にしているようで、これなら上からは気付かれにくい。

 神々の遊ぶ庭に足を踏み入れる

北沼から南沼キャンプ指定地までの道は濃霧にやられると迷いやすくなりますので注意。北沼沿いの道は大雨が降ると沈むこともあるので雨の場合は注意。トムラウシは他の山と違って地形が独特で、カムイの人たちは大雪山やトムラウシの山々を総称して「神々の遊ぶ庭」と評していたそうです。

 10時30分 南沼キャンプ指定地

南沼キャンプ指定地ですが池の水はほぼ底を尽いている状態。綺麗な水であっても流れがない場所の沼は動物たちが立ち寄る関係で湯沸しは絶対となりますが、もう底を尽く寸前の場合は汲むこと自体推奨しません。なので北沼まで足を運ぶことになりますが、1回で数リットル組めるプラティがここで重宝するんじゃないかと。北沼で組む場合は足元に注意しましょう。滑ると沼の中にドボンです(>_<)

 青色の強い高山植物

青色?紫色?何て名前だろう?色が際立っていたので思わず1枚。気温は16度と肌寒いです。

 なんかスゴイぞ この景色

同じ山なのに手前は緑色で奥は青色。それがまた素晴らしい景色になっています。上に分厚い雲が居座っていますが素晴らしい景色に変わりありません。行きの時は雲に隠れて見えませんでしたが、帰りはスッキリした景色が広がっていますね。この景色も北海道でしか見られない景色かと思います。

 11時10分 それでは下山開始です

トムラウシ温泉まで戻りましょう。帰りもガレ場を越えなくちゃいけませんので転ばないように注意して歩きます。ここでもシマリスに会えましたが写真には収められず。前トム平、コマドリ沢分岐をどんどん進みます。

 トリカブトって不思議な形だな~

この独特の形はトリカブトでしょう。10数年間登山をして初めて見かけました。ここはコマドリ沢分岐あたり。

 帰りも"ぬかるみ" が苦しかった

帰りも"ぬかるみ" に気を付けて歩きますが、さすがに登山の疲労が溜まる頃なので、ぬかるみを避けて歩く=疲れるの一言です。しかも同じ道を歩いてきたハズなのに結構長い距離を歩いたな~って気持ちになります。そしてお呼びじゃないのにスズメバチが何匹か寄ってきましたが、もう完全無視!

 14時00分 やっと温泉コース分岐に来た

帰りは異常なほど長い距離を歩かされた気分になりましたが、ようやく短縮登山路とトムラウシ温泉の分岐に戻ってこれた。ここからトムラウシ温泉に向かってラストを歩き通します。すれ違った登山者、追い越した登山者の全員が短縮登山路からのスタートと聞いた時は正直ビックリしましたが、長いコースを考えれば頷けます。

 14時50分 な、長かった・・・

下山に3時間40分、トータル11時間20分。休憩時間と寄り道を除けば10時間!長い!トムラウシ温泉の入口を見つけた時はガッツポーズをしちゃいましたね。明るいうちに登山口に戻って来れたってのもありますし、事故なくケガなく戻ってこれたってのもありますし、とにかく北海道遠征の登山はこれで全て終了となります。まずは温泉に入って達成の余韻に浸りにいきましょうか。ビールも飲みたいしね。

 18時30分 思いっきり飲み干したよ

温泉に入ってスッキリ!次に事故なく帰れるようにと山の神様にお祈り。そんでアサヒ黒ビールをゴクゴク飲みます!温泉に入った後だから体も火照っており、そこに冷たいビールがくるもんだから、その爽快感は計り知れない。さて、色々な山に登り、また大変なことが多かった北海道遠征の旅でしたが、無事にフィナーレを迎えることができました。今日は疲労困憊もあって車中泊する予定です。なのでアルコール飲料をガブ飲み(笑)

 19時30分 それじゃあ夕食でも作ろうかね

東大雪荘に宿泊出来るかなって思って受付に聞いてみたら満室ですと断られました(泣) 仕方なく登山食料の夕食となりまして、水はホテルの水を頂いて調理しています。そんで今宵も登場したキタキツネが食料を探しに山から下りてきたようです。ダメダメ!この食料の味を覚えてはいけないよ。普通に駐車場に現れてくるもんですから私と同じく外で調理する際は、本当に注意が必要です。

 すんげぇ眠い・・・

さぁ~て自分で何を撮ろうとしたいたんでしょうか?全く覚えていません。疲労困憊な状態に加えアルコールが入っているもんですから睡魔の誘いがとてもヒドイ事になっています。さすがに前を向いて歩くことは出来ますが、冷静に何を撮ろうかな?なんて、この時は出来なかったと思います。今日はこれまでの疲れを取り去るために早めの就寝にします。寝袋を使って温かく、運転席を最大に下げて気持ち良く夢の中へ・・・

トムラウシ登山を終えて無事に北海道遠征の旅は終焉となりました。あとは明日、家路まで事故なく帰る事ですね。明日は旭川空港まで色々と寄り道してブラブラする予定です。最後は旭山動物園に寄ってみようかな?とにかく今は思いっきり寝てしまう事!それでは皆様おやすみなさい。ゆずの栄光の架け橋を聞いて深い眠りに入ります。「いく~つも~の、日々を越えて~辿り着いた~明日があ~る」・・・zzz,zzz