北海道遠征の旅④

 

2014年8月12日  天気:晴れのち曇り

北海道遠征の旅④では十勝岳登頂のページになっています。北海道の2座目は十勝岳連峰の最高峰である十勝岳。台風の影響を避けるために前日は休息日として旭川市内でグダ~ってしてましたが、やはり山に行かないと体が鉛みたく動かなくなるんで無理してでも出発。今日の天気はどうだろう?雨が降らなくても台風の翌日は風が強くなるもんだしなぁ・・・防寒着を着込んで立ち向かうか。

・・・アクセスについて・・・

公共交通機関はJR富良野線の美瑛駅から道北バスを利用して白金温泉下車となります。車ならカーナビ設定で望岳台へ。登山口まで危ない道はないので危険性は皆無。ただ野生の動物が横から飛び出してきたりしますのでスピード出し過ぎはNG。今回はエゾシマリスが出てきました。バス利用の方は時刻のチェックを忘れずに。食糧調達の場合、富良野駅にあるセブンで済ませましょう。それ以降はありません。

・・・所持品・・・

登山路の途中にある十勝岳避難小屋で一泊する場合は食料と寝具は必須。水場はありません。幕営エリアはどこにもなし。晴れならゲイター不要。ストック活用ならある程度の疲労は軽減できるかと。強風が吹くと寒いのでアウター持参を推奨します。あとはカッパやタオル、帽子、サングラス、行動食と言った物を揃えます。飲料水は2リットルを持っていきました。余ると思いきや飲み干しちゃいましたね。

 6時50分 天気予報を確認

皆様おはようございます!本日は十勝岳登頂の日となりますが、台風が通過したとはいえ別の前線が張り出しているようなのでヘクトパスカル数値を見て天候を把握します。990hPaなら大丈夫かな?そんで不安を抱えつつも窓から外を眺めたら意外にも良い天気。これが嵐の前の静けさってやつかな?

 上空は厳しい世界になっていそうだ

上空は渦を巻く雲になっていますが地上は無風で穏やかそのもの。でも山の上では強風が吹き荒れる世界が広がっていることでしょうな。さて十勝岳へはこれまで同様レンタカーを借りて出発となります。レンタカー営業所は旭川駅から徒歩5分の場所であり、ニッポンレンタカー営業所さんにまたお世話になります。

 9時00分 十勝岳の前に寄り道開始

カーナビに「十勝岳」と入力して出発進行。そしてここは美瑛駅のそばにある「道の駅 びえい丘のくら」で、早速寄り道を開始(笑) 観光名所として有名な美瑛町エリアに入り、ちょっとイメチェンした街並みの中を歩いています。小腹が空いたので道の駅の中で売っていたイチゴソフトを購入して食べてみたら、イチゴの味がすんごくて美味い!いつもなら恥ずかしくて買えないものの、なぜか今回は堂々と購入できたよ(^o^)

 美瑛駅

美瑛は丘陵風景と花の風景丘が有名で、「美瑛の丘」、「マイルドセブンの丘」などシャレた丘が広がる場所となっています。車利用でないと全て見ることは不可能。この美瑛町に心惹かれて居住を決めた方も結構多いそうです。美瑛駅が近くにあるので立ち寄ってみましょうか。ちょうど富良野線が到着しており、1輌編成がなんともカワイイ。そう言えば架線とか電気を送る構造物はどこにもなくスッキリしてますね。

 9時40分 十勝岳エリアに進入

寄り道を終え十勝岳へ!国道237号線、道道966号線を経由し十勝岳温泉方面に向かいます。

 10時00分 最短スタート場所の望岳台(ぼうがくだい)

十勝岳のメジャースタートは①白金温泉②望岳台(ぼうがくだい) の2つであり、車利用なら望岳台が絶対便利。望岳台の駐車場も割かし広く50台ほどが駐車可能。奥にそびえる山が十勝岳連峰で山頂は雲に隠れて見えません。そして写真左が美瑛岳。ここはトイレが備え付けてありますが少々汚い印象を受けます。また食堂のような施設がありましたが廃屋なのか黄色いテープが張られていて立入禁止。

 十勝岳を目指しスタート


それにしても快晴ですね~(^_^) 最初は砂道から始まって、続いて石が混じり合った歩きにくい道に変わっていく登山道。所々に轍(わだち) が見えますが、この道は車が通ったりするんでしょうかね?

 10時55分 十勝岳避難小屋

美瑛岳分岐、十勝岳避難小屋とポイントを順々に進みますが、起伏はなく穏やかな道が続く疲れが出ない道。ただ思った通り、ここら辺から風が強くなってきます。少々先が心配ですね。十勝岳避難小屋でちょっと休憩しましょうか?小屋の中は頑丈で綺麗。休憩している方の顔も満足げな感じです。

 本格的な登山路になりました

十勝岳避難小屋から誘導に従い進路を左にガクッと動かされ、そしてここから本格的な登山道が始まります。過去にあった前十勝岳経由の道は火山の噴煙や道の崩壊などで閉鎖されています。

 見晴の良い場所までもう少し

次は昭和噴火口ポイントです。標高が高くなるにつれて風の力が増してきましたね。山頂から戻ってきた登山者の方と会ったので情報を伺いました。「山頂もそうですが稜線も風が半端ないですよ」、「台風の落し物ですかね?」、「間違いないでしょうね、大変ですが頑張って下さい」

 11時45分 昭和噴火口

ようやく昭和噴火口に到着。ようやく山頂を見つけられましたが、まだまだ遠いなぁ・・・

左(東の方向) を見ると美瑛岳がハッキリ!ここから美瑛岳へも相当な距離がありますね。今私が立っている昭和噴火口と言うポイントから十勝岳山頂までは約1時間の距離で、美瑛岳へは2時間強の距離。台風の落し物である強風が相当荒れ狂っており、砂が舞い、小石が顔に当たり、そんで体がよろけると言った状況になっています。十勝岳上空には不穏な雲が覆い始めた事もあってマズイ状況です。

 12時05分 ★動画★ 現在の天候情報

デジカメ動画撮影。始めの方は風で喋っている声が消されてしまいました。このガサガサ音が、砂を舞い、小石を飛ばし、体をよろけさせる強さ。さすがに寒くなったのでここでアウターを1つ着込みます。

 岩肌を歩き、続いて稜線を歩く


スリバチ火口、グラウンド火口などを横目に見ながら進むと、「あれ?道がない」 遠目から見るとルートが消える錯覚を覚えますが大丈夫。途中から岩肌を歩くルートに変化しますので。そして岩肌を抜け稜線に立ちました。ここから山頂までは10分程の距離。さぁラストの坂を登っちまいましょう!

 12時30分 十勝岳山頂に到着だ!

標高2077mの登頂成功!せっかく山頂に来たんですが何も拝めません(泣)

山頂はガスガス状態で何も見えず、そして強風の吹く寒い世界になってしまったので写真を撮ってさっさと下山。10分程待ってみましたが回復の兆しは全くありませんでした。それと山頂よりも昭和噴火口付近の方が強風でしたね。おそらく地形的に風の吹き抜ける場所になっているんでしょう。風が弱まったって思って勘違いすると噴火口辺りでしっぺ返しを食らうわけです。私は見事にやられました。

 12時55分 下山時にまさかのアクシデント

強風エリアに再度突入。そして小石が目に入り込んでしまうアクシデントを起こしてしまいます。激痛に悶え苦しむこと15分。本当に痛くって歩くことが出来ないほど。強風の吹く場所ではサングラスが必須なのかもしれないな。痛みが治まってからはサングラスを装着して防御態勢。

 表情の変わった十勝岳

振り返った十勝岳。登山開始時に見た時の風景とは違い、雲が完全に山頂を覆ってしまった。

 ここまで下りれば大丈夫でしょう

昭和噴火口を通過し十勝岳避難小屋へと戻り、ここらで風が落ち着き始めたようなのでサングラスを外します。標高1,700mを境界として無風と強風のエリアが見事に出来上がっているようで、ピタッと風が止んだ時は妙な拍子抜けを受けました(笑) そしてまた暑くなってきたのでアウターを脱ぎます。

 14時30分 ナキウサギの鳴き声がどこからか・・・

十勝岳避難小屋を通過し一人寂しく望岳台を目指します。それと美瑛岳分岐点を通過した辺りでしょうか?草地からナキウサギと思われる鳴き声が盛んに聞こえてきます。でも姿は見せない。非常に警戒心が強い生き物ですし、もしかしたら聞いた鳴き声って警戒の合図だったのかもしれません。

 14時40分 望岳台に戻ってきました

望岳台に到着。山頂は相変わらず分厚い雲の中に隠れてしまい姿は望めなくなっていました。あの雲の量じゃ今日は晴れることはなさそうですね(>_<) さっさと下山して良かった。

 実に落ち着き過ぎているエゾシマリス

どこに寄り道しようかな~っと、走行中にエゾシマリスが草地から突然横切ってきました。

 15時05分 白金温泉

遅れましたが公共交通機関を使うとここから登山開始です。望岳台まで1時間の距離となるので往復2時間が余計にかかることになります。さて売店があるのでちょっと立ち寄ってみましょうか。そこで美瑛サイダーを購入しましたが何が美瑛なのか分からず飲み干してしまった(笑) 普通のサイダーだな。ここには日帰り温泉施設もあるので利用価値大ですね。登山バッチは売店で購入できました。

 15時20分 青い池

美瑛市にある青い池で、過去にメディアで大きく報道され一気に有名になった観光地です。

報道(テレビ) で青い池の様子が流れたんですが今回は緑一色。その時は青だ!って思えるほどの綺麗な色をしていたのでワクワクして向かったんですが見事に落胆一色(笑) 色々な条件が重ならないと青色にならないんですね。駐車場からは歩いて5分の距離なのでサンダルで来ても問題なし。

 16時05分 吹上温泉露天風呂

温泉に入って疲れを癒しましょう。ここは宿泊以外にもテント泊が可能であり、その際は十勝岳の景色を堪能しながら満喫することができます。ゴミは完全持ち帰りですよ。飲料水やお菓子、軽食などは施設内で購入可能ですがEPIガス缶は売ってません(確か・・・) 。温泉料は600円とリーズナブル。

 18時40分 今度は大雪山(旭岳) に向かいます

十勝岳の次は大雪山(旭岳) を目指します。カーナビで約70km先と言われ、設定された道をその通りに進んでいったら人気(ひとけ) のない暗い寂しい道に連れてかれました(笑) 途中までは往路と同じ道でしたが道道213号線に入ってからは初めての道。まぁその道でしか旭岳に向かうルートはないか・・・クネクネ道ではないので難易度は低いんですが、山の道であるが故、店、コンビニ等は一軒も出てきませんでした。

 マジ真っ暗・・・

キタキツネ登場!真っ暗でも目が慣れてしまえば見分けがつきます。目がオレンジ色だ・・・

道道216号線の忠別湖辺りを走行。左にダム湖があるんですが真夜中のダム湖は妙な不気味さが漂います。怖い物みたさでダム湖の近くまで寄ってみましたが不気味不気味(汗) 一人でこんな時間に行く場所じゃありません。視覚、聴覚、触覚の3感全てがフルに動いていた気がしました。

 19時40分 旭岳万世閣ホテルベアモンテ

走行中にまたキタキツネが出てきて危ない危ない。そうして旭岳の麓にある無料駐車場に到着。大雪山無料駐車場って言うのが正しい?ここの無料駐車場にはトイレが設置されており、また歩いて1分程にあるホテル売店で飲料水や菓子、軽食などが購入できます。コンビニや店が一軒もなかったので売店の存在は非常に助かりました。でも時間が遅いと閉店するだろうから注意です。

 まさかの出来事!

バーナーで湯を沸かし、そして登山食料(アルファ米) 品の袋を開封して湯が沸くのを待っている間、何者かが付近をウロウロしていたようで、私はその気配に全く気が付くことができずちょっとトイレに立ち寄って戻ってみたら・・・なんと食料が消えていました。しばらくは状況を飲み込めず何が起きたのか理解できませんでしたがキタキツネが盗んでいたのです。まさかこんな事が起こるなんて想像もしていませんでした。

雲の影響で山頂からの景色は全くダメでしたが十勝岳の登山は充実でした。やはり噴火口の存在は登山の魅力をアップさせますね。遠目からみても十勝岳の景色は圧巻でしたし。そしてラストの食料盗難の件はこちら側がしっかりしないとダメですね。不注意とは言えキタキツネに食料の味を覚えさせてしまったんですから。猛省です。人間からかなり餌付けをされているようなので、こちらも警戒する必要があります。