南アルプス縦走②

 

2015年8月5日  天気:晴れのち夕立

さぁ北岳登頂の日になりました。飲料水は念には念を入れて3リットル持ってきます。その他もろもろを足し合わせると60リットルのザックがパンパン状態。こんなんで急登の道を攻略できるのか?今回は大樺沢ルートを往路にして、復路は明日の状況を見て考えることにします。今日は朝から清々しい天気ですが、きっと夕方近くになると夕立が発生するだろうから、昼までには何としてでも山頂に辿り着きたい。

 5時10分 広河原山荘を出発します

朝食を済ませ、お弁当を貰い、準備が整ったら北岳に向けて出発です!最初は白根御池方面のルート(大樺沢ルートは書かれていない様子) を辿って樹林帯の中に入っていきます。朝早い事もあって涼しい(^_^)

 5時30分 最初の分岐点

スタート地点より15分くらい歩くと「大樺沢コース」「白根御池コース」の分岐が出てきます。山荘無しで八本歯のコルやハシゴの急登を歩く場合は左より。山荘があって出だしから急登が連続する手強い道を歩く場合は右より。時間を考えると大樺沢コースの方が1時間ほど早く着けます。

 大樺沢コース



大樺沢コースの最初は平坦な道と少しのアップダウンが続き、そんで途中に沢があって水を飲めたり確保したりが可能。ゴクゴク水を飲んで喉を潤します。思い返してみると、すんごい美味しかったな。

水の流れが速く、カメラで撮ると写真のように出来上がります。

二俣・チップ制公衆トイレまで1時間の距離。

北岳バットレスが目の前に聳え立ち、そして北岳の山頂も見えた!遠い!


ここら辺より傾斜が徐々にですが強くなっていきます。足場も砂利やザレ場に変わってきているので浮石に要注意。そして樹林帯を抜けてしまったため直射日光を浴び放題!サングラスがあれば目の防御に、日焼け止めクリームを塗っておけば顔の防御に。夏はホントに大変ですね。

 7時25分 二俣・チップ制公衆トイレ

二俣・チップ制公衆トイレの分岐点です。ここから白根御池山荘方面右俣に行って肩の小屋方面に足を延ばすことが出来ます。ここから肩の小屋については思いのほか距離が長いので慎重な判断をしないと・・・うかうかしていると夕立に遭いますからね(>_<) 私は八本歯のコル方面へ。

 急登の開始です(>_<)



分岐点からは傾斜が強くなってきます。いよいよ北岳の急登とバトルをする時がきたんですね。ここからはペースを乱さないように、バテないように足を進めていきます。なおこの場所にて持参した飲料水の1リットル分が消費。残りは2リットル・・・思いのほか暑く辛いよぉ・・・(>_<)

先行者の方々です。人の背丈もある岩がゴロゴロしています。落石注意ですね(汗)

 9時00分 次は八本歯のコル方面へ

広河原から3時間。二俣・チップ制公衆トイレから1時間30分。そしてここから北岳山頂まで1時間40分。暑い上に喉も渇き、傾斜がこれからさらに強くなるって言うのに、まだ1時間40分も登るの??こんな感じで「よし!やるぞ!」と気合を入れたのも束の間、次の写真から"くたばって" いきます(笑)

 急登地獄が終わってくんない!

八本歯のコルまで地獄の階段が続きます(泣) 坂道を登る以上に状況はツラく、ここを登る人みんなが「ツラい・・・つらい・・・」と言います。階段なので足を高く上げなくちゃいけないんですよね。

坂道なら小さい歩幅でもOKですが、でも階段ともなればダメ!マジキツイ・・・足を上げる動作が強烈に苦しいです。とは言え階段がなければこの急斜面は登れないし、かと言って階段を避ける道はないし・・・ここは苦しみを耐えつつ歩き抜きます(>_<) 足が・・・上がらねぇ・・・

 9時30分 八本歯のコルに到着

八本歯のコル分岐に到着!くぅ・・・かなり疲れた・・・

これより眺望の広がる世界です!奥に日本で標高3位の間ノ岳が聳えています!この景色を見た時は「おぉ~!」って心の中で叫んでしまいましたね。疲れは全然ぶっ飛びませんが気持ちはスカッとした気分です。間ノ岳は明日登る予定。今日は北岳を制覇することが目的!

 ここから八本歯のコル

ただいま八本歯のコルを攻略中・・・とにかく暑くて苦しい・・・

切り立っている岩場もありますので気を付けて歩きます。

続いてガレ場です。石に丸印が付けられているので見落とさないように進みます。浮石もホントに多いので捻挫にもならないよう慎重に歩きます。「足が・・・」 ここら辺で疲れがピークに達し、歩くペースが途端に落ちます。飲料水も2リットル目を消費。本当に3リットル持ってきて正解だったよ。

 10時15分 北岳or北岳山荘の分岐点

北岳山荘へのトラバースコース分岐地点です。


疲労困憊で足取りが重い(>_<) 何名かの登山者と追い越したり追い越されたりやってまして、「あの階段ホントに大変でしたね」「やっと乗り切って楽になりましたよ」・・・みんなホントにあの階段に打ちのめされた様子。私だけじゃなかったんだ・・・

 10時30分 ラストの分岐点


疲労困憊の状態でようやく北岳の真下に来ました。「くぅ・・・足が重い・・・」 それでもなんとか登って・・・

 11時00分 北岳登頂!

北岳の標高が3192mから3193mにUP!新しい看板と一緒に記念写真を撮ってもらいました。

その後ろには日本百名山の仙丈ヶ岳(写真中央) がどっしりと。

向きを変えれば同じく日本百名山の鳳凰三山。

北岳の山頂はこんな感じで広めです。

もうヘトヘト(>_<) 雲がだんだん多くなり寒くなってきました。これは夕立の気配を感じます。ここで雨にでも降られたらたまりませんので早々に北岳山荘に向かいましょう。あとは下りだけなので楽チンです。

 北岳山荘へ



山頂から北岳山荘までは40分くらいの距離で、この距離がなかなか縮まらない!ザレ場のような道ですが危険ヶ所はなし。残りは山荘!ゆったりのったり進みましょう。

 12時20分 北岳山荘に到着

山荘に到着!間ノ岳に行く力は残っておりません。

山荘に着いたんだからビールで祝杯上げちゃいましょう!

まだ飲み足りず生ビールも頂きます(笑)

山荘のテント場です。

 北岳診療所より

汗が冷える前に着替えてください ⇒ 着替えました

高山病にかかりやすくなるので、登山後すぐに寝ないでください ⇒ テント張ってすぐ爆睡
登山後すぐのお酒はひかえましょう ⇒ 速攻飲みました(笑)
で、高山病にはかかりませんでした。

 17時00分 夕立発生!

そしてこの後に夕立が発生。雷ゴロゴロ雨ザーザー。睨んだ通りの時間ですね。テント場は運よく水はけが宜しかったため大惨事には至りませんでしたが、肩の小屋のテント場は全滅したそうです。水はけがよろしくなく水たまりがアチラコチラに出来てしまったそうです(>_<)

 夕立後の世界

雲に隠れちゃってるけど巨大な虹のアーチが出来上がってました。

雲の合間から顔を出す太陽がこれまた綺麗(^o^)

 19時20分 巨大積乱雲

巨大な積乱雲が仙丈ヶ岳を覆い隠しております。しかも雲の中から光が時折見え、ゴゴゴゴ・・・なんて音が聞こえてきます。幸いなことにこの積乱雲は山荘に来る前に消えてしまいましたが、こいつらが来たら北岳山荘に避難するしか手はなかったかと思います。

 甲府市の夜景

キラキラと見える光は都市部の夜景。場所的に甲府方面かと思いますが正直分かりません。夕立が起きた後なのでとても綺麗に見えました。星空も最高だったので明日の天気も良い事でしょう(^_^) この後は何もすることがないので寝袋にくるまっておやすみなさい・・・zzz

水3リットル目は山頂で飲みつくしてしまいました。なので真夏の暑い時期+大樺沢コースを歩かれる方がおりましたら多めに飲料水を持参することを強く強く勧めます。シャリバテよりも脱水症状の方がキツイです(>_<) 明日は間ノ岳を攻めまして、その後は肩の小屋方面に向かうか、往路を戻るか検討中。とにかく今日は疲れ果てたのでグッスリ寝られそう・・・zzz