浅間山  2013年11月24日  天気:晴れ

今年も残りわずかとなりましたね。まだ登りたりないんです(笑) 火山活動により入山規制が図られている山で、ある情報によると、その規制措置によって逆に脚光を浴びたと言われているそうですから不思議なもんです。今回はマイカー登山ではなく公共交通機関を利用しての計画なので、電車やバスの時刻確認、乗り継ぎ方法や料金などを下調べするのがちょい大変でした。

 6時40分 JR大宮駅より長野新幹線に乗車

 

浅間山への足掛かりとして佐久平駅と小諸駅を候補に挙げましたが、今回は小諸駅まで足を運びます。大宮駅18番ホームから出発する、6時50分発 あさま501号 長野行きに乗って軽井沢駅を目指し、そこから小諸駅に向かうルートを辿ります。新幹線の始発は4時や5時とかではなく7時頃の始発になるため、日帰り登山を計画しているなど早く現地に向かいたい方にとってはこの遅さが難点。全体の工程がズレ、予定時間に遅れてしまい、結果、登山中に日が暮れてしまうなんて事があります。

 7時25分 軽井沢駅に到着しました

 


新幹線を出た途端に冬の空気。息が白い。軽井沢といったら目の前にある軽井沢プリンスホテルスキー場が有名ですね~。スキーやスノボーを抱えている方が多く、ホームや改札前は大変な賑わいでした。でも登山の格好をしているのは私だけです。軽井沢駅に着いたら次は小諸駅に向かいます。奥多摩線や東北本線(黒磯寄り) のように、ボタンを押してドアを開閉するって電車を何度か見てきましたが、しなの鉄道線は手でドアを開けるんですね。これには本当にビックリしました。

 8時00分 小諸駅に到着しました

小諸駅に着いても登山者の姿は私のみで、逆に温泉客と思われる方がたくさんいます。ここからバスを使うかタクシーを使うかでかなり迷いましたが、最終的にはタクシーを選択。バスだとこれから40分も待たないとダメで、時間を有効活用するためにタクシーを選んだ次第です。登山口までの料金は5200円。改札を過ぎて駅舎を出ればタクシーとバスターミナルが出てきますので迷うことはありませんね。ちょっと失敗したのが小諸駅周辺にはコンビニがないってこと。食糧が買えてない・・・

 8時35分 高峰高原ホテルが登山口




やっとのことで浅間山の登山口に到着しましたが・・・雪、積もってますね。事前に浅間山のライブカメラを確認して積雪量を大まかに測ってはいたんですが、登山口からしてこの雪の量。その場所の状況って実際に来てみないと分からないもんですね(汗) 現在の火山警戒レベルは1。3まで上がると立ち入り禁止になります。マイカーの方は登山口付近にあるホテル併設の無料駐車場に止めることが出来ます。

 雪道をザクザク進みます

登山口の気温は2度と寒く冷たい~(>_<;) でも2度であっても太陽が顔を出していれば、まだどうにかなるモノなんですが・・・、ここに風が混じってくると超厄介。急激に冷えが襲って洒落にならなくなります。標高が上がるとますます風が強くなりますので早速厚着をして用心します。

 9時40分 避難壕が現れた

浅間山の噴火に備えて各所に避難壕が造られていますが、噴火にはたして耐えられるかどうか?焼岳では小屋を壊滅にまで追い込む被害が出てしまっているので少々頼りない感じがしてしまう・・・。避難壕の中は簡単な作りって印象を受けますが、頭上からの攻撃だけは防げそうです。

 9時50分 トーミの頭から浅間山眺望

避難壕からも浅間山が見渡せますが、トーミの頭から見た浅間山の方が絶景です。トーミの頭・・・面白い名前ですよね。浅間山に積もる雪が放射線状になっていて独特の景観が生まれ、そして活火山だけあって山肌には植物が生えていません。山の左側には山頂に延びる道があり、完全に雪道へと姿を変えています。しかも、あの道以外に山頂に辿り着ける道はありません。

 難易度のある草すべりの道

 

 



トーミの頭から黒斑山(くろふやま) に向かわない場合は「草すべり」と言う道を通ることになります。名前からして危なっかしい感じがしますが、別に急坂が多いと言うわけではなく、むしろジグザグ(九十九折れ) に道が作られているので斜度は抑えてくれています。ただ今回に限っては雪と氷がジャマをしているので難易度が高い。となるとアイゼンの出番ですが、慎重に下りれば問題なかったため今回は使用しませんでした。

 10時35分 草すべりの分岐点から

真正面にあるT字路が(って絶対に分からないと思いますが) 草すべりの分岐点で、左に行けば浅間山へと、右に進めば浅間山荘へと続きます。トーミの頭からも見えた浅間山手前にある樹林帯の中を突っ切って行きますが、雪の量がこちらも負けず劣らずの状況。ストックを持ってくれば良かったよ。この分岐点を過ぎたら残すは浅間山の山頂に立つだけです(^o^)

 山頂までの苦しい上り坂


噴火の影響からなのか、浅間山の山頂に近付くにつれてゴロゴロとした石が出てくるようになりました。大小さまざまな大きさの石が散らばっていて、これらが噴火の力によって転がってきたのかと思うとかなりゾッとします。なにしろ相当デカい石もありますので。斜面には微妙な角度で静止している石がいくつかあり、これが何かのキッカケで転がってきたらと思うと・・・早く立ち去ろう!

 12時00 前掛山が見えてきた

浅間山の最高峰である2568mへの立ち入りは火山活動によってほぼ禁止とされ、その代わりに前掛山が浅間山の山頂と言う扱いになっています。それにしてもここに来て突然風が強くなった!他の登山者も「寒い!」とか「痛い!」とか悲痛な声が飛び交っています。ひとまず避難壕に隠れましょう。晴れているのに温度計は0度を指しています。

 12時30 前掛山の山頂に到着

浅間山の南側、軽井沢方面を眺めています。ちょっと霞みがかっていますね・・・

雪庇が少し出来上がっているので踏み抜かないように歩きます。前掛山までの道は風の通り道となってしまい凄まじい強風エリアと化しています。山頂からの景色は少し霞みがかってはいるものの、四阿山や北アルプスなどの懐かしい面々が眺望出来て、ウム、申し分ない。

 風のない所まで避難します

風の落ち着く場所まで、冷えた体を温めるため、まずは一旦避難壕に逃げ込みます。時間も午後に突入し、ここら辺から帰りの時間を気にして自然と時計を見る回数が増えていきます。15時までには登山口に戻りたいな。地図を見返して下山ルートを何度も練ります。

 復路は浅間山荘方面へ

時間が足りないためJバンドへの道は進まず草すべりの分岐点まで足早に戻ります。草すべりの分岐点まで戻ったら地図をもう一度開いて再確認。ん~これはこれは・・・高峰高原ホテルの登山口へは16時頃の着となりそうで、これはちっと心が折れそう。草すべりの坂を登るのもツラいな。ここは浅間山荘に抜けてしまった方が正解だろう。高峰高原ホテルの登山口とは1時間ほどの短縮が図れるメリットがあります。

 13時40 エコ施設の火山館

地図にも載っていた火山館。行ってみたら無料休憩所でした。水の補給や手洗いがあるなど立派な施設じゃないか。1階は倉庫となって、2階は談話室。噴火の歴史著書や浅間山に棲む動植物たちの本や写真が置いてあります。屋根裏は素泊まりが出来そうなスペースがあり、施設はソーラーパネルが取り付けられているエコ施設。

 どんどん下ります


下山道は急坂が少ないので散歩気分で歩けそうです。雪が全く無いことに拍子抜けを受けましたが、代わりに落ち葉が道いっぱいに敷かれ(道が見えなくなる程) 、木は紅葉に染まり、秋の中を歩いているなって感じを受けています。これだけ落ち葉があれば焼き芋作れんじゃない?

 ゴールの浅間山荘に近付いてきました

登山道から林道に道が一気に変化し、そして道幅も広くなって歩きやすくなります。ここに来て、あぁ・・・ゴールに近付いたなって実感が湧きます。浅間山荘事件とは違う山荘ですのでお間違えないように。

 14時40分 浅間山荘・・・営業中で良かった

小諸駅で食糧調達が出来なかったため、昨日の夜から何も食べずに登ったことになっています。前掛山登頂の時から超空腹状態で体が徐々に動かなくなり、今はかなり危険な状態になっていて、なので浅間山荘の食堂に飛び込んでカレーライス(大盛り) と生ビール×2とデザートを価格気にせず注文連発(笑) そうそう、スマホアプリの歩数計が知らぬ間に動いていたようで、チェックしたら現在だけで30000歩も歩いていた!

 16時10分 タクシー利用でJR佐久平駅に到着

疲れが相当ひどいため、小諸駅には向かわず新幹線にすぐ乗れる佐久平駅まで向かいます。浅間山荘でタクシーを呼ぶと何%かの割引があるようで、7000円が6100円になりました。安く済んだのもあって新幹線は思い切ってグリーン車をチョイス!乗ってみての感想。前後の椅子間隔が広く、足を置く台まで用意されていて、なんとなんと頭を置く場所に枕みたいな物が取り付けられています!

本格的な雪山登山に向けて、冬の寒さや自分の体力が今どんなもんなのかを確認する目的で計画した今回の登山。ライブカメラで積雪量を見てみましたけど、あんまり多くはない・・・?いやいや、行ってみて分かりましたが意外にあった。ここで数10cmの積雪量です。北アルプスともなれば数mに迫っていることでしょう。さぁ~て、次の舞台はいよいよ北アルプスの西穂独標です!