北アルプス縦走⑤

 

2012年10月11日  天気:晴れ

楽しかった登山もいよいよフィナーレ、北アルプス縦走最後の日となります。不測の事態に備えて予備日を何日か確保していましたが大丈夫でしたね。本日は晴嵐荘から高瀬ダムに向かう3時間の散歩だけとなりますが、午後から雨が降るって天気予報が流れていたのでウカウカしていられません。だからと言ってこのまま帰るのは損した気分です。ちょっと山荘の周りを散歩しましょう。

 5時30分 ホカホカの朝ご飯

朝5時に起床して5時30分に朝食。登山の起床は5時がデフォルトみたいですね。昨日のようなガス欠を起こさないためにも朝食はしっかりと取ります。そしてお腹いっぱいにして部屋に戻り、テンションUPのためにORANGE RANGEの「イケナイ太陽」を聞きます(笑) あ、そうそう、お風呂場と食堂はこんな感じです。売店にあった晴嵐荘バッチをお土産に購入しました。

 のんきに散歩



オーナーから国の天然記念物である「噴泉丘」の情報を聞き、早速向かってみたいと思います。これを見ずに帰ると損した気分になるので寄り道します(^_^) 水門の横を通り、橋を渡り、そして川に沿って歩く。その途中にあった橋に北鎌尾根の標識があって、それが槍ヶ岳方面に向かっています。今は廃道になっていると聞いていますが、とても過酷な道だったそうです。

 途中から硫黄の臭いが・・・

噴泉丘への道を進んでいくと、途中から白い煙がモクモク上がっているのが見えてきます。同時に硫黄の臭いが辺り一面に漂います。まさに源泉ですね。ためしに源泉に触ってみましたが熱い!温泉情報誌によれば、この辺りをシャベルで掘って、源泉の熱湯と隣に流れる川の水を混ぜ合わせ温泉を作るのが「通」だと載っています。熱湯と水との配分がすごく難しそうだな。

 7時00分 噴泉丘

硫黄が噴出するシューシューって音が響きます。長年かけて出来た自然のモノですが、どうやって出来たんでしょうかね?全然分かりません。それに煙の吹き出し量が多くて噴泉丘自体が全然見えませんね・・・。向こう岸に渡ろうと考えましたが川の流れが強くてとても無理。

 自然の景色を見ながら休憩

源泉近くの川は黒く不気味、反面、源泉から離れると青く透明。へぇ~、十数mしか離れていないのに色がここまで変わるもんなんだな。普段見ることのない自然の光景を見られるなんて嬉しい限り・・・っと、雨がポツポツ降ってきましたのでそろそろ山荘に戻りましょうか。

 8時00分 さぁ、出発しよう!


楽しかった散歩も終わり、山荘に戻ってザックを背負い・・・、さぁ出発しましょう!オーナーが私が見えなくなるまで手を振ってくれて、今もなお思い出すたびに感動です。晴嵐荘から高瀬ダムまではおおよそ3時間の散歩道・・・と、その途中に野生の猿が登場。のんきに毛づくろいしていますね。目が合っても全く威嚇してきません。子供猿がず~っと私を見てきます(笑)

 9時00分 名無しの避難小屋



何か建物が見えるな~と思ったら非難小屋です。地図と照らし合わせると確かに小屋のマークがありますが名前の記載がない。名前がない理由は避難小屋に正式な名前が付いていないからだそうです。室内は意外にも綺麗で畳の部屋が用意されていてビックリ。縁台には登山者ノートが7冊も置いてあり、パラパラって読んでみたら宿泊者コメントが多くて驚きました。

 9時40分 舗装された道に変わった


登山道の道から舗装された林道に変化しました。ここから先はトラックが当たり前のように走ってきますので気を付けて歩きます。高瀬ダムのダム湖である高瀬湖は林道沿いから始まり、あとは高瀬ダムまで続きます。ダム湖特有のエメラルドグリーン色って・・・正直苦手です。

 トンネルを歩く


人の気配が全くない東京電力の高瀬川第五発電所の横を通り過ぎます。水力発電の発送とか、ダム湖の調整、整備とかをしているんでしょうかね?その後は短いトンネルや長いトンネルが交互に続き、合計で3回くぐることになります。どのトンネルも電灯は点いているものの非常に暗いため、トンネルの中を歩くのが少々おっかなびっくりです。トラックも時々通ってきて危ないです。左下の写真は明るく見えますが(そういう撮影方法) 、実際はほぼ真っ暗です。

 11時00分 高瀬ダムに到着

下山の最終地点である高瀬ダムに到着!ここが本当のゴール地点です。



3つ目のトンネルをくぐれば高瀬ダムに到着となります。たった3時間の散歩でしたが思ったよりも長い感じがしたな。ここから信濃大町まではタクシーを使いますが、タイミング良くタクシーが1台止まっていたため乗車可能か早速確認。「乗っていくかい?」と運転手から誘われました。そう言えばここはブナ立て尾根の出発地点なんだよな。トランクにザックを乗せ、運転手に事情を話し、私はこの後ブナ立て尾根の見学・・・いや、またまた寄り道をしに行きました(^_^)/

 11時20分 ブナ立て尾根へ寄り道(笑)


トンネルを抜けた先でショベルカーやブルトーザーがガンガン工事をしています。その上に架かる長い吊り橋を渡って対岸に進み、そこからさらに奥へと進むとブナ立て尾根のスタート地点があります。ここで驚いたのが、途中にあった小さい小屋に書かれてある看板の内容。読んでみると、この辺りが烏帽子小屋のテント場らしいです。でも、「幕営する場合は烏帽子小屋までお金を払って下さい」と書いてあったけど、え!? ここから烏帽子小屋まで5時間の距離だぞ!?

 12時35分 タクシーに乗ってJR信濃大町駅へ

街があり、そこに車が走り、そして人が行き交い・・・、久々に地上に戻ってきた感じがします。あとは帰路だけです。ザックの中にあった不要な荷物を運送会社のヤマトさんに自宅まで送ってもらい、空いたスペースにお土産を買い込んでいきます。あれほど雨が降るって天気予報でやっていたのに雲1つない晴天に変わっています。秋とは言えかなりの暑さでしたね。

4泊5日の北アルプス縦走計画も無事に成功となりました。苦しいコトが何度かありましたが、終わってみればとても有意義な生活が送れたような気がして大満足です!今回の縦走では、まずはその計画性、次にザックの大きさや荷物の量、さらにどれほどの体力が必要だったのかと言う事を肌身を持って感じました。来年も機会があれば北アルプス縦走に行きますよ!