甲武信ヶ岳  2014年1月12日  天気:晴れ

2014年、あけましておめでとうございます。今年に入り大寒波がこの3連休に到来すると大々的に放送され、それに伴ってか、ほとんどの山で登山危険信号マークが灯されています。まさかの展開にショックを浴びながら登れる山はないか1つ1つ確認していくと、過去に「ある理由」で敗退した甲武信ヶ岳は問題ないとの情報をGET!もちろん、このチャンスを無駄にしないためにも何が何でも向かってやります!

 0時10分 八王子ICから中央道に進入

ETC料金であっても極力費用を抑えるためにと下道をひたすら走ってきましたが、これ以降山梨県へと入る国道20号線は危なっかしい道となるので、ここから高速道路を使って先へと進みます。

 0時50分 談合坂SAで夜食

談合坂SAの気温は2度と寒く、この調子だと登山口はさらに気温が落ちていきそうな感じです。夜食を食べようと談合坂SAに寄り、降りるICは「勝沼」となるので飲食できる大きな休憩所はここしかありません。フードコートにて麺系のメニューを見て温かい田舎うどんを注文。

 1時10分 山梨市と塩山市の夜景

勝沼ICを降りたら続いて甲府方面に向かう国道20号線へ合流。ここから国道140号線を目指し交差点やら人気の無い道やらをモクモクと走行します。ナビがあれば最強ですが、地図なら確認しながら進まないと迷う確率大です。ちょっとした迷路ですからね。高台に来たので夜景を撮影。

 国道140号線の路面状況


今日はノーマルタイヤなので、雪や凍結に備えてチェーンを持参。が、見事な除雪にお役御免でした。「笛吹の湯」や「川浦温泉」までは雪すらありませんね。それ以降だとチラホラ雪が出てきますが除雪は完璧です。ただ除雪は国道140号線や主要道路のみなので、人気の無い脇道にそれるとそれなりに積もっています。この辺りから気温がマイナス7度の世界です。

 2時15分 道の駅 みとみ

甲武信ヶ岳の登山スタート地点は「道の駅 みとみ」。もっと最寄りの駐車場もありますがアイスバーン化で非常にオススメ出来ません。なおここの道の駅はトイレに暖房機器を取り付けているようで温かい。自販機も備えてあるので便利便利(*´ω`) 現在、外の気温はマイナス11度とかなり落ちています。車中泊でもテント泊でも毛布2枚かぶりとか服5枚重ねとかしないと寒くて寝れません。ホッカイロの持参推奨。それとアイドリングは絶対禁止!エンジン音が本当にやかましいので。

 6時40分 これから出発です

5時に起きて6時出発の予定だったけど、目覚ましの設定方法が悪かったようで6時起きの6時40分出発になってもうた。すでに40分の遅刻だ~( ◢д◣) ラッセルとかの雪山登山に備えてピッケルや先週購入したワカン、お馴染みのアイゼンを携帯していそいそと出発。気温はマイナス5度と寒い・・・

 6時45分 西沢渓谷のルートを進みます

甲武信ヶ岳の登山口は西沢渓谷へと続くルートの途中(西沢山荘付近) にありますので、まず最初に西沢渓谷を目指して進むことになります。西沢渓谷の看板通りに進みましょう(Google Mapで言うと西沢渓谷歩道) 。ここから先はアイスバーンが多発しているので気を付けて歩きます。

 意外と長い西沢渓谷歩道


「道の駅みとみ」から西沢山荘までは30分の距離がありまして、これが意外と長い。国道140号線をくぐり、ゲートを通り、トイレ(冬季封鎖) をスルーし、橋を渡って・・・どこまで続くんだ!?

 7時05分 西沢山荘と徳ちゃん新道

西沢山荘は現在閉鎖中。その手前に「徳ちゃん新道」へと続く登山口標識があります。近丸新道とどっちがいいか迷いましたが今回は徳ちゃん新道を選択。「徳ちゃん」とは山中徳氏の名前から取ったものであり、山中氏が切り開いた新しい道となっています。さぁ~て、ここから登山の開始ですぜ。

 徳ちゃん新道を登っています


徳ちゃん新道、最初はダラダラした緩やかな上り坂から始まって、そして徐々に強まっていく傾斜へと続きます。太陽も顔を出してくれて気温は2度と風もなく温かい環境。ダウンを着込んでいたけど汗ダラダラになってきたので脱ぎます。現在インナー2着に薄手のウインドブレーカの計3着です。スタートして1時間30分、途中からシャクナゲトンネルが出てきますが、頭に当たるわザックにぶつかるわで大変!見頃は5月下旬から。

 9時05分 近丸新道との合流地点

徳ちゃん新道と近丸新道の合流地点で徳ちゃん新道はここで終わり。この道、山中氏が1人で作ったって言うんだから凄すぎる・・・本当に感謝。積雪(60cm程度) が増してきましたのでアイゼンを装着しましょう。ここからまた延々と続く坂道を登らなくちゃいけないので休憩を多めに取っておこうか。

 戸渡尾根(近丸新道) の坂道は難敵


都内からのアクセスがとても便利な西沢渓谷経由のルート(つまり私が登っているルート) は危険ヶ所ナシなんですが、傾斜が強いのでとても疲れる・・・。しかも「うげ~」って思ってしまう急坂が何回か出てきて溜息が続く。樹林帯の中で景色も拝めず辛い時間が続きます。

 11時05分 初めてのビューポイント

樹林帯の中を歩くこと2時間・・・ようやくビューポイントの眺望に出会えました!富士山がとても綺麗じゃん!青々とした山容も素晴らしく雲1つない景色。ここに来て、疲れが一気に吹っ飛びましたね。

 11時30分 甲武信ヶ岳と破風山との分岐点

ビューポイントから次の分岐点まで急坂がまだまだ続くので侮れません。でも分岐点まで来れば稜線に立っているようなものなので傾斜もだいぶ落ち着いてきます。スタートから5時間30分坂道を登ってきましたが、久々に疲れましたね~(*´Д`) ここから甲武信ヶ岳に向かいますが、その前にある木賊山を目指しましょう。

 11時40分 木賊山に到着!

木賊・・・「とくさ」って読みます。まぁ読めまい。標高2469mに到着です。厳冬期だと「木」って漢字の部分まで雪に埋まります。今日は大したことのない日と言えるでしょう。

 11時55分 甲武信小屋に続いて到着

木々が生えていない稜線に顔を出してみたら風が強い強い!ここから標高が一回落ちて、これが精神的に堪えます。なんたって下山は登らなくちゃいけないんですから。そうして甲武信小屋に到着。木賊山と甲武信ヶ岳の間に建っていますね。木々に隠れているので近づかないと小屋が見えてきません。

 残すは山頂に向かうのみ!

甲武信小屋の左手から山頂に進むルートがあります。ここから山頂までは20分の距離です。先ほど標高を下げられた分、ここでまた登り直しですから体力的にも精神的にも響きますぜ。

 12時25分 標高2475m 甲武信ヶ岳に到着です

雄大な景色の中に一際目立つ富士山。見事なまでの圧巻の景色。

西を向くと八ヶ岳が見えます。雲が澄んでいてこちらも圧巻そのものです。

霞んでいて見づらいですが北アルプスも望めます。あちらも相当の雪を積んでいることでしょう。

甲武信ヶ岳の山頂に到着しました。木賊山とは標高6mの差しかなく、すぐ北にある三宝山は標高2483mと甲武信ヶ岳よりも8m高い。それでも甲武信ヶ岳が百名山に選ばれた理由は間違いなく壮大な景色があったからと言えるでしょう。疲れているのに本当にスカっとした気分になれます。風が強く、山頂に誰もいませんでしたので山頂碑だけを撮って下山します。そういやぁ、なんでここだけ木々が生えていないんだろう?

 12時55分 甲武信小屋に到着し記念写真

甲武信小屋でテント泊をする2人組の登山者の方と出会いました。雪の整地をしながら雪合戦を初めて何だか楽しそうです。私も機会があればテント泊をしてみたいな。ここに来る前に別のテント泊をした登山者と出会いましたが、真夜中の気温はマイナス13度だったそうです。おもしろおかしく話していましたが、温かいスープを作った数分後に凍り始めたって言ってましたよ(汗)

 急いで下山しないと!

冬は日の入りが早いので16時までに下りないと危険信号です。現在13時だから・・・16時までは残り3時間!昼食をここで取ってカロリーを補います。シャリバテになると途端にスピードが落ちますからね。

 14時00分 徳ちゃん新道が伸びる分岐点

登りはアイゼンがなくても行けそうですが、下山はアイゼンがないと滑って転びそうです。甲武信小屋から徳ちゃん新道が出てくる分岐点までは1時間程で下りています。その途中、シャクナゲが群生していますが、またもや頭やザックにあたって大変です。雪がなくなったら当たらずにすむのかな?

 徳ちゃん新道を使って下山中

昔からある「近丸新道」があるのに、なぜ「徳ちゃん新道」が作られたのか・・・それは近丸新道には沢を渡るルートがあって、過去にその沢が増水して渡れなくなってしまい、甲武信小屋に停滞せざるおえなくなったと言う問題があったからです。徳ちゃん新道はそれを解消するために作られたルートなんです。山中氏の尽力なくしてコースの誕生はありませんでした。本当に感謝です。

 15時05分 西沢山荘に到着 = 下山

あ~きつい(>_<") 西沢山荘辺りの徳ちゃん新道はトレースが見えづらいので暗くなると致命的です。西沢山荘の前に数名登山者がいて何やら話し声が聞こえてきまして、「これから登る?」、「いや明日にしようぜ、この時間からじゃ無理だって」・・・。確かにこの時間じゃ途中でビバーク決定です。私はと言うと、日帰り登山に8時間をかけたことは初めてですので良い経験をしました。なんとか平静を保っていますが、もう足ガクガクです(笑)

 道の駅までラスト30分


西沢山荘から道の駅までは30分と距離はありますが、車も通らないことだし音楽聞きながら歩こうじゃないか。橋を渡ってゲートを越えて・・・って、ん?西沢渓谷のドライブインの看板が壊れているじゃんか!今は誰もいないけど、シーズン入ったらきっと驚くぜ。ここから山梨市駅 or 塩山駅へのバスが動いています。山梨市駅の最終は16時25分で、塩山駅は15時40分だそうだ。

 15時45分 道の駅 みとみに着きました~

最初から最後まで時間を計ると、道の駅到着までに9時間かかっています。結構な距離を歩いたな~って駐車場に着いた時に思いました。道の駅がまだ営業中でしたので土産をいくつか買って、温かいお茶を飲んで、着替えて、車に乗って・・・って、体が凍えてハンドルを握る手に力が入らない!こりゃ大変だ!この時ばかりはエンジン付けて暖房を全開。登山バッチは道の駅に売ってませんでした。

 17時35分 ほうとう料理店 小作

山梨県と言ったら「ほうとう」で間違いないでしょう。早速入って注文です。車なのでビールが飲めないのが残念ですが・・・。店内はまだ18時前なのにほぼ満席で賑やか状態。「かぼちゃほうとう」「きのこほうとう」「豚肉ほうとう」「牡蠣ほうとう」「すっぽんほうとう」などなど15品目程あり、私が注文したのは「牡蠣ほうとう」で1600円なり。牡蠣を食べたら中から熱い汁が飛んで口を火傷しました(痛)

 19時40分 藤野PAで休憩

ラジオを聞いていたら高速渋滞放送で「小仏トンネル付近で5kmの渋滞が発生しています」と流れてきたもんだから大変。このままでは10kmを超えるのは時間の問題!急いで中央道に乗って帰宅開始。でも登山の疲労もあったんで、談合坂SAでしばらく寝て、藤野PAでポテト(モスバーガーさん) を購入して・・・って案外渋滞に危機感を感じていない私でした(笑) むしろ楽しんでいたりして?

 19時55分 小仏トンネル内です

あまりのもノロノロ運転で時折止まったり・・・ここが渋滞のメッカである小仏トンネルです。最悪10kmを想定していましたが8kmで落ち着いたようです。「なんだ、こんなもんか」って正直思いましたが、これまで渋滞30kmとか40kmとか経験してきたんで耐性が付いちゃったのかもしれないな。

今回選んだ「徳ちゃん新道」経由は危険ヶ所ナシの代わりに急坂が多いコースです。往復に時間がかかるんで、日帰り登山を計画される場合は車を使うか前泊をして登るかしないと夕刻までの下山は無理でしょう。余裕があったら西沢渓谷を見学しようかな~なんて思いましたが無理でした。登山道はトレースがハッキリしていて雪もまだ固いワケじゃないのでワカンとピッケルは不要でしたね。

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