北アルプス縦走⑤

 

2014年9月15日  天気:晴れ

後立山縦走コースを歩いて三日目となり、ラストは唐松岳を目指します。唐松岳登頂後は八方尾根を利用して白馬駅まで下り大糸線に乗って都内に帰ります。休日がまだまだ続けば不帰キレットを歩いて白馬鑓温泉小屋で温泉入りたかったな~って気持ちがありますが、またの機会にしましょう。今日も天候は良い感じです。初めての八方尾根、どんなコースなのかワクワクしちゃいます(^o^)

・・・アクセスについて・・・

唐松岳、八方尾根ルートからなら日帰りでも十分可能。ただ前泊や唐松岳頂上山荘で1泊すると余裕のある登山ができます(^o^) 鹿島槍ヶ岳から、もしくは五竜岳からの縦走時は間に1泊か2泊が必要です。五竜岳と唐松岳の間も相変わらずのクサリ場(2時間30分) コースとなるので注意を怠らず。八方尾根からの展望は本当に良かった!しかも危険ヶ所ゼロなので多くの登山者が利用していました。

・・・所持品・・・

八方尾根ルートはストックや帽子、飲料水や日焼け止めクリーム、汗拭きタオルなどの装備を揃え、五竜山荘ルートならグローブやヘルメットの装備を揃え、通ったことはないですが欅平ルートならテント装備が必要でしょう。朝がとにかく寒いので防寒着は必須。ヘッドライトは電池が切れると致命的なので電池の予備を。岩場ではストックがジャマになることもあるため使用は適材適所で。

 4時00分 めちゃくちゃ寒い!

起床は4時。外に出ると風が冷たく6度表示(>_<) 体がガチガチになる感じで寝袋から出るに出られない状況ですよ。それでも頑張って外に出てみると登山者の方が出発に向けて撤収作業に取り組んでいらっしゃる。ヘッドライトの明かりがそこらかしこで光っています。私も早く撤収作業に取り掛かりますぜ!

 5時00分 空がだんだん明るくなってきたよ

だぁ~テントが濡れてる!はっ水スプレーを掛けたんだけど水粒が全然落ちていかない!濡れると砂とか土が張りついちゃんですよ~(泣) でも真っ暗なんで汚れ具合がよく分からんのです。もう面倒になったんでそのまま収納しちゃいます。とかなんとかしていたら外が明るくなってきた(>_<) あぁそれと、4時の写真と5時の写真、実は同じ場所から撮影しているんです。

 5時30分 五竜山荘よりご来光

ご来光の瞬間が訪れた時、私は何をしていたでしょう?①転んだ ②滑った ③壁にぶつかった ・・・正解は巻末に載せておきます。ご来光の瞬間を待ちわびていた登山者が一斉に東側に寄り、なんと登山道を埋めてしまった(>_<) 頼みます!人が通れる分くらいは残してくださ~い!

 遠見尾根を通らず唐松岳へ


五竜山荘の裏手にある白岳から、遠見尾根と唐松岳に向かう分岐が現れます。私は唐松岳方面を歩くんですが、そこから見える稜線が私を爽快な気分にさせてくれます。稜線がどこまでも続く景色ってなんでこんなに素晴らしいんだろう。仕事の疲れなんて簡単に吹っ飛びますね。

 鳥の鳴き声だけが聞こえる

崖の横を通る道が多いですね~一部崩落したと思われる道があり、最初そこを通らせるのか?と思ってビクビクしてしまいましたが、別の道がちゃんと確保されていましたね。なんせ横を見ると崖なんですから(汗) 見た目の荒々しさと違って登山道はしっかりとした安全ルートがとられています。ほとんどの方は遠見尾根を使うようで唐松岳に進む人が非常に少ない。とても静かで鳥の鳴き声がよく聞こえます。

 6時20分 白馬村の景色

位置関係から見ると白馬村かな?

 本日最初のクサリ場のある急斜面

しばらくすると急斜面やらクサリやらが出てきて、これまでの登山道とは雰囲気が変化します。三点確保で登る斜面が出てきますが、絶対に絶対に岩を強く掴まないコト!ここら辺の岩が脆い(もろい) ので見事にまでにモゲます。私も思いっきり掴んで岩がモゲて驚きました。そんなに力を入れてなかったのに・・・

 本日最初のクサリ場のない急斜面

クサリが取り付けられていない急斜面です。上りよりも下りの方が断然怖い気がします。今日は晴れなので"滑りやすさ" は問題ないんですが、雨が降ったりでもしたら危険度は一気に上昇します。一枚岩のような道ばかりなのでツルツル滑りそうな予感がします。

 唐松岳から来た登山者の皆様

おっと、対向者が大勢いらっしゃる。道が細いのですれ違いに注意しましょう。

唐松岳頂上山荘まで残り2km(・・・か分かりませんが) に近づくと、クサリ道の出現率が60%くらいにまで上がります。とにかくクサリだらけでしたね。ここを豪雪時期に通る場合、う~む、こりゃ危険だな。

 クサリ場はまだまだ続くってさ・・・

クサリ場を抜けたら目の前に見えるピークを目指していきます。そろそろ山荘が見える頃じゃないかな~って思いながら期待して歩いているんですが何も見えない(泣) すれ違った登山者に尋ねたところ、「次のクサリ場を抜けたら見えてきますよ」って言われた。え・・・?次のクサリ場って?

 平坦な場でのクサリ場ですが要注意

ラストのクサリ場が登場しました。左にズリッて滑るとサヨナラ必至です。

八峰キレットやG5G4よりもこっちの方が怖い気がします。足場はしっかり整えられていますが高所なため油断すると危険です。すれ違いスペースも限られているので下手をすると身動きがとれなくなります。ここを抜けると唐松岳頂上山荘に到着となります。運の良いことに対向者はお一人のみだった。

 7時20分 唐松岳頂上山荘

唐松岳頂上山荘にようやく到着。昨日はたくさんの宿泊者がいたようで、たくさんの登山者がいましたね。ここから唐松岳までは20分の距離となりますので、もうザックをデポして向かいましょう。

もうそろそろ枯れてしまう感じがしますが、きっと来年も綺麗な花を咲かせてくれることでしょう。

 だんだん山頂が近付いてきます

何て事の無い斜面なんですが、疲労が積み重なってきたのか、それともお腹が空いてきたのか、パワーが出ないため苦しい状況になっていますよ。あともう少しで山頂、もう少しで山頂・・・を繰り返し声に出しながら山頂を目指しております(汗) そういえば真っ白な台地ですね、燕岳と同じ地質かな?

 7時45分 唐松岳の山頂にきたぞ!

白馬岳方面です。不帰キレットってどこにあるんだろう?ここからじゃ分からないな。

目の前に見える黒い山が五竜岳です。鹿島槍ヶ岳は背後にまわってしまい見えませんね。

一番奥に見える山が剱岳と立山です。雲に隠れなくて良かった良かった(^o^)

五竜岳で縦走を終えようかと思いましたが、やっぱり唐松岳まで来て正解でしたね~。景色が素晴らしいですぜ、本当に!過去に流行ったマカンコウサッポウのポーズで写真を撮っている方がいましたが、これは相当大変そう。何度も撮り直しをしていましたので。不帰キレットへ数名の方が向かっていきましたが、私も休日がまだ続いて入れば100%向かっていました。鑓温泉で一泊とかね(^_^)

 あぁ~コーラがこんなに美味しいなんて・・・

山荘に戻ってコーラを一気飲み・・・が出来るワケないんですが、半分くらいまで飲めました。すごく喉が苦しくなりましたが、それ以上に達成感のボルテージの方が高いので苦しさも楽しさの一つみたいな感じになり、残りも一気飲み!山荘で食事を取ろうとしましたが11時を過ぎないと販売開始がされないとのこと。

 8時25分 八方尾根を下ります


HPで八方尾根の素晴らしいところは眺望が良いという点、そして道がとても安全って聞いていましたが、まさにその通り!そして八方池山荘から3時間30分で唐松岳ですから、日帰り登山も出来る北アルプスって点も含めると魅力大。私の中で、このルートはお勧めしたいコースの一つとなりました(^o^)

 樹林帯の中へ入ります

扇雪渓の辺りから樹林帯の中に入っていきます。ここから先は木の中を進むため北アルプスの景色はひとまずおあずけとなりますが、緑の木々の中を歩くのもいいもんですね~。本日も登山者の数が多いようでトータル200名前後の方とすれ違いました。

 トリカブトの群生

紫色の花は全部トリカブトです。群生地があったようでトリカブトがたくさん咲いていました。

 八方池が見えてきました

しばらくすると樹林帯から抜け出し再び絶景が広がりました。木々に紅葉が少しずつかかってきましたね。ここから白馬岳や五竜岳、鹿島槍ヶ岳が一望できます。前方には八方池も見えるようになりました。

 9時50分 八方池に到着

八方池に到着しました。一部カメラマンが集まっている場所があったので「何だろう?」と立ち寄ってみたところ、八方池に写る北アルプス(白馬三山) の写真を撮っていたんですね。今日は風もないし雲もないし綺麗の一言。八方池からは八方池山荘までは約1時間の距離となります。

 続いて八方池山荘なんですが・・・


八方池に帰りながら一つ不安なことを思い浮かべながら歩いています。それは帰りの特急電車の切符を買っていないってこと!なぜか?それは今日の唐松岳登頂計画を当初は考えていなかったんです。そう、五竜山荘でテント泊をしたあの日に下山しようとも考えていていたから切符の購入を渋ったんです。でも今日の登山者+観光客の数を見たらマズイマズイって状況になってしまった!

 10時45分 八方池山荘に到着

八方池山荘=グラードクワッドのリフト乗り場まで来まして、これから3つのリフトを乗り継いで地上に戻ります。料金は最初のリフトを降りた後で支払い。片道1,400円。ここまで来てようやくSB端末の電波が入るようになり下山報告ができますよ(疲) 売店があるので何か買おうかなと思いましたが帰りの特急電車切符が気になってしょうがないので早めに下山します。

 最初のリフト

ザックが一人分の面積を取るため、リフトでは自分の隣にザックを置くワケなんですが、これがスムーズに置けないと従業員によりリフトを停止されてしまいます(泣) ストックを落とさないようにザックには硬く縛り付けておきましょう。落としたりでもしたら悲惨です。同じくカメラも・・・

 2つ目のリフトと3つ目のリフト

左の写真が2つ目のリフトのアルペンクワッドで、右の写真が3つ目のリフトのゴンドラリフトアダムです。白馬岳の栂池高原にも似た名前のリフトがありますが、あちらはゴンドラリフトイヴです。ちなみと遠見尾根がテレキャビンです。さっき乗ったのがグラードクワッド。一読して全部覚えたらスゴイ!

 11時50分 3つ目のリフト乗り場のお土産店

ライチョウのぬいぐるみが店の中央をほぼ独占している(笑) そういえば今回の縦走ではライチョウが1羽も見かけなかったな。地図では冷池山荘の前にライチョウ多いって書いてありましたが鳴き声すら聞いていません。ちょっと残念な気持ちですが、きっと冬の支度で大変なんでしょうね(^_^)

 白馬駅を目指しましょう


これから白馬駅まで歩きますが、スマホの地図情報を確認しながら確実に前に進みます。ひとまず白馬駅まで青看板が案内をしてくれますが、途中一ヶ所だけ案内板が途切れていますので注意。駅の近くになった頃、なんと好日山荘が現れた。そして反対側にはパタゴニアがあった。お互いライバル店だ・・・

 12時00分 JR白馬駅

白馬駅に到着し特急券を購入しようと思ったけど指定席券とグリーン券は完売状態。しかも全ての特急電車が完売になっている・・・これはどうしたもんか。こうなると自由席券を購入して後は席取り合戦を繰り広げるしかない(燃) でもまずは白馬駅から松本駅まで1時間20分ほど地道に帰りのが最初。信濃大町、穂高駅と到着するたびに込み始め、松本駅に着くころには都内顔負けの満員電車になってしまいました。

 14時30分 JR松本駅より自由席の取り合いが始まります

松本駅に着いたらダッシュで特急電車の止まるホームへ!またホームについても自由席の車両が止まる場所を見つけないといけません。そして"あずさ" と"スーパーあずさ" で位置が変わるのでこれも間違えないように。そうして何とか前から10番目に並べ、結果無事に自由席に座ることができました。松本駅が始発って言うのが自由席に座れた一番の勝因ですね。帰りはもちろん爆睡ですよ(笑)

まずは五竜山荘前で何が起きたか?・・・ですが、滑って転んで壁に顔を強打したってのが正解。なんとまぁ恥ずかしいことをしてしまったんだと今思っても苦笑い。北アルプス縦走計画の第三弾となりましたが、今回も天候に恵まれ無事に帰ってくることができました。百名山で言うと残すは槍ヶ岳と笠ヶ岳、乗鞍岳の3座ですね。でもそんなことより黒部峡谷の下ノ廊下を歩いてみたい!次はそこかな?